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想像がふくらむ文章を書こう

私、今日はとても元気です。

あ、そう…という感じですよね。

実は、日曜日にずっと楽しみにしていた予定があるんです。はやく週末にならないかなあと待ち遠しくて、毎日うきうきしています。朝はいつもずーんとした気持ちですが、今日はとっても明るい気持ちで家を出発しました。

こんなふうに、ゆううつな朝もすっきりした気持ちになるくらいの元気さを、みなさんに伝えたかったはずでした。「とても元気です」というストレートな表現なら、もちろん元気なことは伝わります。でもどんな調子で元気なのか、そこまでイメージをふくらませてもらうのは、むずかしそうです。どうすれば読んだ人にいろんな想像をしてもらえる文章を書けるんでしょう。こまりました。

アイデアが尽きて手が止まってしまった私に、窓の外のくもり空がさらに暗い気持ちに追い打ちをかけます。私の心情とリンクしたような、どんよりした空です。

──そういえば、ドラマやアニメでも、主人公にトラブルが待ち受けるときは大体くもり空かどしゃぶりの雨ですね。逆にハッピーな結末をむかえるときは、からっとした晴天だったり、虹がかかっていたりする気がします。くやしい気持ちは歯を食いしばる口元のアップで表現されていたり、うなるサイレンで緊張感をあおっていたり…天気といった自然描写以外にも、思い返せばいろんな表現を見たことがあります。
「今こんな気持ちです」、「これからこんな大問題が起きます」なんて説明がなくても、周りの状況が描写されていると、登場人物の気持ちやストーリー展開もあれこれ想像できますよね。

なんだかこのテクニック、文章を考えるときにもバッチリ使えそうです!目に見えるものや自分で感じ取ったことなど、まわりの情景*を表現することで、自分の伝えたいことを読み手にイメージしてもらうのです。

*情景…心が動かされた景色や場面のこと

そういえば私は、「とても明るい気持ちで家を出発した」と書いていました。駅までの道のりも、いつもよりはテンポよく歩けたんです。うきうきしているからですね。
「いつもはゆううつな駅までの道のりも、今日は足どりが軽やかだった」
どうでしょう!「元気」とは書いていませんが、なにか嬉しいことがあってわくわくしているような印象になりました。

文章とは関係なさそうに思えても、いろいろなところに表現のヒントは転がっています。こんな伝え方もあるんだな、と新たな発見があると楽しいですね。

窓から、太陽の光が差し込んできました。午後からは晴れそうです。それではみなさん今日もよい一日を!

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