ゴールデンウィークが過ぎると、だんだん蒸し暑くなってきて、梅雨のシーズンがやってきますね。
梅雨と聞くと湿気でじめじめして、雨の日ばかりで憂鬱になりがちですが、傘をさして散歩に出掛けてみると、庭に美しいアジサイが咲いていたりして、梅雨も悪くないなと思ったりもします。
そんな梅雨を彩る花のアジサイ、みなさんは漢字で書くことはできますか?
アジサイは漢字で書くと「紫陽花」と書きます。
紫の陽の花、なんとも趣深い漢字ですね。
では、アジサイの語源って何でしょうか。
調べてみると「アジサイ」という名前の語源は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」から来たとする説が一般的に言われているそうです。
ではなぜ現代では「集真藍(あづさい)」とは書かずに「紫陽花」と書くのでしょうか。
それは海を渡って唐の詩人、白居易(はくきょい)の漢詩に由来します。
中国のお寺で、名前のわからない紫色の花を見た白居易(はくきょい)は、「与君名作紫陽花(君を紫陽花と名付けよう)」と結ぶ詩を残しました。
その詩を読んだ平安時代の学者が、「これはアジサイのことだろう」と、アジサイにこの漢字をあてたそうです。
しかし、実は白居易(はくきょい)の見た紫色の花は、日本のアジサイとは別の花で、一説によれば「ライラック」だったのではと考えられているそうです。
ライラックの写真を調べてみると、確かに紫色の小さい花が集まっていて、アジサイと似ている気が…
ライラックは乾燥していて、かつ涼しい環境を好む植物なので、日本では梅雨が無く、夏でも比較的涼しい北海道で主に見ることができます。
また、ライラックは札幌市のシンボルとして、親しまれており、年に一度ライラック祭りという初夏を告げるお祭りが開催されていたりします。
同じ初夏の季節に花を咲かせ、色や形も似ている花なのに、ここまで違うとは…
梅雨の時期を彩る、アジサイの漢字は、本来梅雨とは全然関係のない花に名づけられるはずだったというのは、なんとも面白い間違いですね。
千年以上前の間違いが、今でも使われているのもなかなか面白いですね。
ちなみにライラックを漢字で書くと「紫丁香花」と書くそうですよ。
ではなぜ「紫丁香花」と書くのだろう?
こうやって身近な言葉から、色々調べてみると発見が生まれることもあります。
みなさんも生活の中で、ふと疑問に思った言葉を調べてみましょう。