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言葉を記憶に残そう

新しく言葉を覚えるには、どうすればよいのだろう。

 

このコラムを書こうとしている時に、ふと思いました。

ぼんやりとした問いですが、私は日々の生活の中にこそ言葉を覚えるきっかけがあるのではないかと思いました。

我々は生活の中で、多種多様な言葉に触れているはずです。

その中でも記憶に残る言葉、そして記憶に残らずスルーしている言葉があると思います。

 

果たして、その差は何でしょうか。

 

そこで、最近記憶に残った言葉が何かないかと振り返ってみると、先月の休日のことを思い出しました。

その日の早朝、私は小料理屋を営んでいる知人と市場に行きました。

知人はお店で提供する魚を市場で仕入れているので、市場の人達とも親しく、一般の人間はなかなか入れない場所に連れていってくださいました。

そこでは、魚の名前や価格が書かれている札が無いものが多く、プロ向けのお店だと思いました。

 

私はいったん知人と離れ、一人で場内を回っていました。

マグロやカニやウニなどは、細かな品種まではわからないですが、大まかな名前は分かりました。

しかし、市場にはどんな名前か見当もつかない海産物がたくさん並んでいました。

 

そうした中でも、非常に目の大きな赤い魚が目に止まりました。

気になったので、何という名前の魚なのか市場の人にたずねてみると、「アカムツ」という魚らしいです。

アカムツ。

初めて聞く名前の魚でした。

そこで、どんな食べ方をすれば美味しく食べられるかと市場の方にもう一度たずねてみると、刺身をあぶるか、煮付けにすると大変美味しいとのこと。

 

私はそれを聞いて知人に、「アカムツを食べてみたいので料理を作ってほしい」と頼んでみました。

すると知人は、「アカムツならお店で出したことがあるし、食べたことがあるはずだよ。多分アカムツじゃなくて、ノドグロって言って出したけど。」と言いました。

 

なんと、新発見。

「アカムツ」と「ノドグロ」は同じ魚を指す言葉らしいです。

 

ノドグロなら、メディアにも多く取り上げられているので、私も知っていました。

口の中をよく見てみると、確かにのどの奥が真っ黒でした。

 

調べてみると、アカムツの名前は「脂っこい」ことを指す「むつこい」という、四国地方の方言が由来のようです。

言うなれば脂っこい魚という意味合いです。

 

このやりとりの過程で、新たに「アカムツ」と「むつこい」という言葉を知ることができました。

そして、これらの言葉は互いに関連しているので、記憶に残りました。

 

このようにまだ訪れたことのない場所には、知らない言葉があふれています。

様々なものに触れ、その一つ一つに興味を持ち、人に聞いてみたり調べたりすることでたくさんの言葉を知ることができます。

そしてその言葉を知った時に、一緒に関連するものを結びつけると深く記憶に残すことができると思います。

 

みなさんも新しい言葉と出会うために、色々なところを積極的に訪ねてみてはいかがでしょうか。

 

その日の夜は、市場で買ったアカムツを知人にさばいてもらい、刺身をあぶって食べました。

味はとても濃厚で、少々「むつこかった」ですが美味しかったです。

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