昨夜、家でコーヒーを入れて飲みました。
焙煎したコーヒー豆をコーヒーミルでひいて入れました。
挽きたての香り高いコーヒーを飲むと、大変気分がリラックスします。
そして、コーヒーをいれる一連の過程も、ゆっくりと流れる時間を楽しむことができる至福のひとときです。
入れたコーヒーを飲みながら、コーヒー豆が入っている袋をふと見ると、大きな文字で「珈琲」と書いてありました。
「珈琲」はコーヒーの漢字表記ですね。
普段から街中でもよく見かける字ですが、なぜコーヒーは漢字で「珈琲」と書くのだろうと、ふと思いました。
コーヒーは外来語なので、当て字であることは予想できます。
「珈」と「琲」、二つの漢字のつくり(漢字の右側に位置する部分)に「加」と「非」が入っているので、音読みにすると「カヒ」と読むこともできそうです。
長音をつけると、「カーヒー」。
コーヒーにとても近い発音ですね。
なので、私は漢字の持つ音から「珈琲」が当てられたと考えました。
しかし、調べてみるともっと深い理由が込められているようです。
実は、「珈琲」の漢字が当てられる前から、コーヒーには漢字が存在していたそうです。
それらは「可否」「可非」「架非」など音に当てた漢字でしたが、ほとんど浸透しなかったそうです。
そんな状況の中、幕末の蘭学者である宇田川榕菴(うだがわようあん)が「珈琲」という漢字を日本で初めて考案し、広く認知されるようになりました。
「珈琲」の漢字の意味として、「珈」は昔に女性が髪をまとめるために使用していた「かんざし」を意味し、「琲」は玉を連ねた飾りという意味で使われていました。
そのため、「珈琲」の本来の意味は、飾り玉のついたかんざしを意味する言葉です。
ではなぜ、黒くて苦い飲み物に、かんざしを意味する漢字を当てたのでしょうか?
それは、宇田川榕菴が収穫する前のコーヒーの赤い実(コーヒーチェリー)をかんざしに見立てたからです。
まるまる実った、真っ赤なコーヒーの実の写真を見てみると、確かに飾りのついたかんざしに見えます。
非常に美しい漢字の当て方ですし、音読みにしてもコーヒーと近いので、広く浸透したのも理解できました。
日常でよく見る言葉でも、ふと疑問に思ったことを調べてみると、新たな発見があります。
言葉を調べることで、調べた言葉以外にも色々な知識が身につきます。
得た知識は作文をはじめ、様々な場面で役に立つでしょう。
みなさんも身近なところから、気になったものを調べてみてはいかがでしょうか。